プレゼンが苦手な人

最近わかったのですが,プレゼンが苦手な人を作り出す原因は,おそらくPowerPoint*1であろうと思います.聞いていて苦痛であるプレゼンをする人は,PowerPointのスライドができてから,どのように話すかを考えている傾向があるように感じます.残念ながら,その人は本質的な内容を説明しているのではなく,自分の作ったスライドを必死に説明しているだけです.

僕自身もPowerPoint(的ソフトウェアであるKeynote)を使いますが,1枚目のスライドを作り始めるまでにはかなり時間がかかります.全体の構成を考え,ある程度どのような流れでプレゼンテーションを行うか(説明を行うか)を考えるからです.また,どのようにプレゼンするかを考えながら,該当部分のスライドを作成します.
これが逆になる,すなわちスライドを作りながらどのようにプレゼンするのかを考えることはおかしいはずです.スライドというのは,本来プレゼンの補助にしかならないものです.そのため,スライドはプレゼンの補助をするものであるはずです.しかし,プレゼンが苦手な人はプレゼンがスライドの補助をしているだけになっている様に感じます.

もちろん,PowerPointが無い時代でも,ポスターを作ってからどのようにプレゼンするかを考えていた人はたくさんいたはずです.この点については,どうもPowerPointの高機能性が影響しているように思えます*2.「PowerPointでスライドを作る」ということが一つの重たい作業になっており,スライドさえできればあとはどうにかなるという風潮がよろしくない気がします.

こういう能力こそ,「総合的な学習の時間」とか「情報」とかで教えるべきだと思うんですけど,どうなってるんですかね.教師が「プレゼンがあるからスライドを作ってこい」,「プレゼンの前にスライドだけ見せて」と指示するのもおかしいのでやめるべきだと思います.

*1:PowerPointに限らず,Keynoteなどのプレゼンテーション用PCソフトウェア全体を指している.今回は面倒なためPowerPointと書く.

*2:PowerPointが箇条書きしかできない仕組みだったら,こんなことにはならなかったと思います.もちろん,それでは困りますが.